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恩赦について

弁護士 水口良一

令和元年11月1日更新

 令和元年10月18日に「復権令」及び「即位の礼に当たり行う特別恩赦基準」が閣議決定されました。そこで、今回は、恩赦について、検討したいと思います。

 まず、恩赦の趣旨ですが、新しい令和の時代を迎え、即位の礼が行われます。この慶事に当たり、罪を犯した者の改善更生の意欲を高めさせ、その社会復帰を促進するという刑事政策的な見地から、恩赦が実施されることとなりました。

 今回、実施される恩赦は、①政令恩赦と②特別基準恩赦の2つとなります。

 政令恩赦の対象は、1個又は2個以上の裁判により罰金に処せられた者で、その全部の執行を終わり、又は執行の免除を得た日から令和元年10月22日の前日までに3年以上を経過したものとなります。ただし、対象者が他に禁錮以上の刑に処せられているときは、適用がありません。

 政令恩赦の効果ですが、罰金に処せられたため法令の定めるところにより喪失し、又は停止されている資格を回復することとなります(復権)。

 次に特別基準恩赦ですが、その対象者は、①病気等で長期間刑の執行が停止され、なお長期にわたり執行困難な者、②刑を受けたことが社会生活上の障害となっている罰金刑の執行終了者となります。

 また、特別基準恩赦の効果としては、①については刑の執行の免除、②については、罰金に処せられたため法令の定めるところにより喪失し、又は停止されている資格を回復することとなります(復権)。

 なお、恩赦の適用を受けるためには、本人の出願等が必要となりますので、対象者は、有罪の判決を受けた裁判所に対応する検察庁などに問い合わせを行うのが良いと思います。

 以上
                                                                    

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